シロアリとは
シロアリは、名前にアリと入っていますが、アリの仲間ではありません。
生物学上ゴキブリの仲間で、アリとは全く異なります。
普段木の表面には出でこない為、実際に見たことのある人はなかなか少ないでしょう。
シロアリは木の主成分の「セルロース」「ヘミセルロース」を栄養とする数少ない生物です。このうちセルロースは木材の約50%を占め、シロアリの主な栄養源となっています。
シロアリは一般に固い木材よりも柔らかい物を好む傾向があり、同一木材でも固い箇所と柔らかい箇所がある為食い散らかす場合が多いです。
4月から6月頃に羽アリ(次世代の王と女王になる逸材)が飛びますが、床下にはまだ多くのシロアリが残っており年間を通じて活動しています。
シロアリが発生しやすい家と
発生しにくい家があります。
シロアリは基本土の中にいますが、それが床下に侵入してくるかしてこないかの違いも大きく関係してきます。床下が直接、土のところはシロアリの被害に遭う可能性が高いです。
現在の建築方法であればコンクリートを使用しているので直接、土ではないのでシロアリが上がってきにくいですが、長年住んでいるとコンクリートにひび割れなどが起こりそこから上がってくる可能性が高くなります。
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
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分布 | 北海道北部を除く日本全土(北限は北海道名寄市) | 北限は潮来、千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と南西諸島、小笠原諸島。 |
体色(羽アリ) | 茶色がかった黒色または黒色 | 黄色がかった茶色 |
群飛時期 | 4月〜5月(東北地方6月) | 5月〜7月の夕方〜夜 |
巣 | 加害箇所が巣を兼ねており、特別に加工した巣は作らない | 特別に加工した魂状の大きな巣を作る。 |
加害修正 | 温厚な木材を好み、建物の下部材を主に加害する。雨もりがあると小屋組材まで加害することがある。加害の速度は比較的遅い。 | 湿潤な木材だけでなく、被害は建物全体に及ぶ。加害速度は速く、被害は強靱である古材より新材を好んで加害する。 |
生態系 | 地下シロアリ型 | 地下シロアリ型 |
シロアリの組織
【女王アリ・王アリ】
職アリに給餌。世話を受けて生殖を繰り返します。(15〜20年生き続ける)
【ニンフ】約2%
将来、羽アリになる若虫です。
【兵アリ】約3%〜4%
外敵などからコロニーを防衛します。(採餌する能力はなく、職アリからの給餌が必要)
【職(はたらき)アリ】約90%〜95%
コロニーのライフサイクルを支える職アリ。職アリは、女王アリ・王アリ・ニンフ・兵アリ・卵・幼虫のなどの世話を受け持ちます。つまりエサと水の確保、あるいは土壌中のコロニーの増築や道路(アリ道)の構築などを行います。
まさに、職アリがコロニー全体の社会的生産基盤を支えているのです。
シロアリの危険性
シロアリは枯れた木材や落ち葉などを食物や巣の材料として運び、物質循環に大きな役割を果たしており、土壌条件の改良に大きく貢献している益虫としても知られています。
ですが、家などに発生すると主要な柱、木材を使っている箇所全てを食害する恐れがあり家の耐久性、耐震性が低下し、倒壊する危険性があります。